人気ブログランキング | 話題のタグを見る

Lenzgesind

ekreidolf.exblog.jp
ブログトップ
2007年 03月 26日

アッシジの聖フランチェスコ

 昨年秋頃でしょうか、milouさん(本山)でひとり、珈琲を楽しむ時間がもてたとき。当然、本棚を物色していると、素敵な本。堀内誠一さんのパリでの生活をアエログラムに書き綴った手紙形式の本に出会いました。ふむふむ、と読み進むと気になる一文。どうも瀬田貞二さんに堀内さんがあてた手紙のよう。
<フランス人は忘れっぽい、すぐに忘れてしまう、(アンドレ)エレとか、モンヴェルとか。>
そして、<あの聖フランチェスコはまだあの本屋にならんでいました>と書かれていました。
アッシジの聖フランチェスコ_e0113871_1417937.jpg

 いつか瀬田さんと堀内さんが手にとってお話された、アッシジの聖フランチェスコについてのモンヴェル挿絵の本を手にしてみたいと思っていたところ、なんと先月、出会うことができたのです。しかも、1912年のNY初版。<Everybodys saint Francis>がその本。なんと、4ユーロという安さでした。(送料が7ユーロもかかりましたが)1938年の印のある落書きが後袖にあり、それで安かったのかも。モンヴェル晩年の作らしいですが、筆致がずっと落ち着いていて、モノクロの画面は、静謐さをきわだたせます。
アッシジの聖フランチェスコ_e0113871_14172783.jpg

 一見、ただの古本にしか見えなかったのですが、聖フランチェスコ(イタリア語読み)の足跡を追いながら本文と挿絵を照らし合わせてゆくと、12世紀から13世紀という時代を教会と対立しながらも、清貧を旨とし生き抜いたフランチェスコに敬服。さらにモンヴェルの力量を思い知らされました。
アッシジの聖フランチェスコ_e0113871_14225296.jpg

堀内誠一さんと瀬田貞二さんに感謝。

by EKreidolf | 2007-03-26 14:36 | 絵本


<< 愛すべきものたち。      モンヴェル >>