2007年 10月 25日

聖フランチェスコの面影

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 本というのは不思議なもので、本棚におとなしく収まっていてくれるかと思うとそうでないことがあります。しきりに呼びかけ、話しかけてくる。意識下の茫洋とした領域に入り込んできて夜な夜な誰かに呼ばれている、そんな気持ちにさせる本があります。
そういった経験を最近しています。
以前紹介させていただいた絵本、<アッシジの聖フランチェスコ>の本です。


読んでいた須賀敦子さん、河合隼雄さんの著作に触れられていたり、散歩にでかければ偶然に彼を讃える教会にであったり。これは何かの運なのか、それとも強欲な罪深いわたしに懺悔を求めてるのか、はてさて・・・。



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旧軽井沢の表通りからホンの少々入ったところに、この聖フランチェスコの待つ聖パウロ教会がありました。





12世紀末ごろイタリアのアッシジにて生を受けたフランチェスコ、若かりしころは裕福な毛織物商人の家に育ち、何不自由なく利発な青年に成長したそうです。青年らしい夢も野望も抱いてペルージャとの戦いに赴いたフランチェスコ。
 しかし彼は長い捕虜生活を経て帰還、病気で寝込んだ後、突然相続するであろう財を全て教会に寄付しようとして父親と口論となり、公衆の面前で身に着けていた衣服までも全て脱いでまっぱだかになり親子の縁を切って<天上の父の子>となったそうです。




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その後彼はポルツュンコラと呼ばれる小さな礼拝堂を再建して修道会を開いたと。その様子は映画『ブラザーサン シスタームーン』の中でも観られます。




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彼はまた鳥や動物たちにまで語りかけ、説法したのだそうです。
彼の力強さ、情熱に心を動かされた多くのひとびとが彼のもとに集まり、ともにあばら家につどい、一切の所有をこばんだとか。



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聖フランチェスコの教えについてはその後修飾が加わり、彼は<自然保護の聖人>であるとか、<動物愛護の聖人>であるとか、さまざまな呼び名で知られています。


ひどいことに、先日聖フランチェスコの小さなメダイを買ったのですが、ついていた題は『ペットのお守りのメダイ』でした。でも彼の生き方は押し付けではなく、もっとシンプルな詩的なものであったようです。全ての所有物からはなれ、自由であること・・・貧しく、そして神の近くにあること・・・




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わたしのようなものにはとてもまだまだ聖フランチェスコの人物像は見えてきません。
でも絵本にふれたのも何かのお導き、折にふれて彼の足跡をたどってみようと考えるようになりました。
おそらくはたどりつかない道でしょうが、それはそれでよい、のです。



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ブーテ・ド・モンヴェル作、1912年出版。
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by EKreidolf | 2007-10-25 00:37 | 読書


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