2007年 07月 27日
田舎を離れ、なんだか生活リズム、環境ともに大きく変わった今日この頃、植物や小さな生き物、生態系の観察への憧憬は高まるばかりだ。 もし、自分の土地、庭を持つことができるのならば、どんな植物を植えるだろう。 昔から小さいものがすき。虫眼鏡でなければよくわからないようなものたちが好きだ。 植物ならば、コケ類、シダ類。まともなガーデナーならあまり相手にしないような輩。 間違っても薔薇などはわたしの庭には植えられないだろうな・・・なぜなら美しいが気難しそうだから。とことこ道草をして、そこで出会えるような飾り気のないやつらが好きだな。 大きな樹があったら最高だな・・・いや、あまり欲はかかないに限るか。 実家に行くと必ずながめてた本に、<デレク・ジャーマンズ ガーデン>という本があった。 かつてのわたしのデレク・ジャーマンにおける知識といえば、難しそうな映画を撮ってる新進気鋭の映画監督であったが、1986年頃HIVウイルスに感染し、惜しくも1994年に亡くなった、ということだった。 この本は、庭というものがどんなスタイルでも存在しうることをわたしに教えてくれた。 もともとこの庭は、イギリスはロンドン郊外の、ダンジェネスという寂れた漁村に存在しており、その土地の生育環境は厳しくて、自生できる植物で(ことに豊富なのは地衣類、苔類)成り立っている。すぐ近くに原発があり、完全なる静けさを帯びた荒野の中に、カノコソウや海キャベツ、シャゼンムラサキなどの花々がひっそりと佇んでいる。 死を目前に、静かに土いじりをし、来るべき春に思いをよせていたであろう、デレク・ジャーマン。 残念ながら、まだこの庭をモチーフにした彼の映画<ザ・ガーデン>は未見だ。 <エドワードⅡ世>は彼の心象風景を映画化したのでは、と感じられる部分が多々あった。 女優ティルダ・スウィントンの凄みのある美しさにも心を奪われた。(出演してるイギリス人男優は、う~ん、残念ながら好みじゃないィ)シェイクスピアなどイギリスの古典を熟読したわけでないので、やはりそういった土壌はイギリス映画を鑑賞するのには必須ではないかと感じた。(この映画のセリフはシェイクスピアと同時代の作家の手によるもの) 全体がセット撮影で、衣装も今の時代の服が使われてることで、デレクのメッセージ色は強まっている。・・・と、ともに行き詰まり感が漂う。ゲイで友人を寵愛したために王位を剥奪されたエドワードⅡ世・・・。<ルードヴィヒ・神々の黄昏>とストーリーは似ていても閉鎖されたセット内での撮影のためか、彼の世界はずっと閉ざされた中にある。 やはり<ザ・ガーデン>が観てみたいと感じた。
by EKreidolf
| 2007-07-27 00:08
| 映画
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