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Lenzgesind

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2007年 04月 05日

再生

 素敵な絵本を紹介します。


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旧ソ連の挿絵画家ゲンナージー・スピーリンの絵本。
彼の作品は日本にもいくつか紹介されており、多作の画家さんです。
おすすめは、この<Unser Baumstumpf>を邦訳した<一本の木の物語>と、
オトフリート・プロイスラー原作の<ユニコーン伝説>。
物語としてはプロイスラーとの絵本の方が好きなんですが、
この絵本の装丁、ロマン派を思わせる作風が大好きです。
木と森の生き物たちの起こす静かなドラマ。

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一本の木がいなずまによってひきさかれ、切り株となります。
そこから物語がはじまります。
ちょっと、フリードリッヒみたいな感じ。

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細かい描写は若きころのスピーリンの本領ではないでしょうか。
彼の絵は自然をテーマとしたとき、特に活き活きとして語りかけてきます。

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花冷えの今日この頃の澄んだ空の月を想い、
落ち着かない春のこころをしずませます。
再生。
いや輪廻といいましょうか・・・



残念ながら、英訳版と邦訳版の装丁は、この黒を基調とした美しいものでなく、
生命感あふれるクマさんが表紙にすえられてます。
まあ、それはそれでよいのですが。
それから、スピーリンの描く人物像は典型的ロシア人の風貌をしています。
日本では、好まれるかしら・・・。
図書館での出会いをおすすめします。

by EKreidolf | 2007-04-05 12:34 | 絵本


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