2009年 08月 05日
クライドルフが画家として活躍していくには、たくさんの友人たち、後援者たちの協力がありました。 両親が経済的に困窮していたコンスタンツ時代、20歳の若き芸術家を援助してくれたのは 故郷テーゲヴィレンのリトグラフの教師、文化・芸術に深い関心を示していた女性、 Calolina Ammannでした。彼女はこの芸術家の卵の苦境に手を差し伸べ、 資金的な援助を申し出ました。 彼女のおかげで彼はミュンヘンに旅立ち、芸術に打ち込んでゆくことができました。 1889年、最愛の姉ヘルミネを亡くし、クライドルフは精神的・肉体的に追い詰められます。 精神のバランスを崩し、創作活動から離れ休養をとることを医師にすすめられます。 彼はミュンヘン芸術アカデミーから一時離れてアルプスのパルテンキルヒェンへ療養に向かいました。 この姉との死別はクライドルフの一生、そして作品を大きく変化させるひとつの要因であったようです。 この療養先でも彼は良き恒久の友にめぐり合うことができました。 作家のLeopold Weber、彼はさまざまな創作上のアドバイスをクライドルフに与え、 ときには資金面での援助もした心強い友人でした。 1890年代前半、クライドルフはミュンヘンとパルテンキルヒェンを行き来し なんとか芸術活動を再開させますが、 芸術アカデミーからの評価はきびしいもので、少しずつクライドルフの名は アカデミーから忘れ去られようとしていました。 1896年、パルテンキルヒェンからミュンヘンへ戻る途中で、クライドルフはまたも運命的な友人と出会います。 その友人の名はアルベルト・ヴェルティ。 チューリッヒ出身の同年代の優れた画家でした。 ヴェルティは、忠実な友人というだけではなく、歴史的な観点からの芸術家仲間でもあると判明しました。 彼はアルノルト・ベックリーンのスタジオで2年間働いていました。 ドイツ表現主義を代表する画家のひとりで、独自の精神世界を持ち、その絵画の表現する内容で、ヴェルティとクライドルフの心を奪ったベックリーンの絵画。 注目したいのは、ヴェルティとクライドルフが繰り返してまた、類似した同様のテーマを描こうと志していたことです。 ともに彼らは神秘的な、神話の対象になるような対象を好みました。 ヴェルティの絵は、カラフルであり、豊かな幻想、ユーモア、人間の弱味に関する同情、 および積極的な配色によって特徴づけられます。 一方、クライドルフは、リリカルな面と不気味な神秘を結合するために 夢のような暗闇の大気を描きだしそれらを調和させました。 クライドルフはヴェルティからもさまざまな援助を受けています。 ミュンヘンでは、クライドルフが彼の名付け子Ruediの肖像を描きました。 ヴェルティ(クライドルフの経済的困窮を知っていた)は彼が肖像画の職の口を見つけられるように骨をおりました。 家族ぐるみの付き合いが長くつづき、彼を通じてまた広い交友関係をつくることができました。 1908年、ヴェルティがスイスへ移住しても、2人の芸術家の友好関係はつづきました。 1912年、深い友情で結ばれていたアルベルト・ヴェルティはベルンで亡くなりました。 クライドルフにとっては痛ましい損失でした。 ・・・エルンスト・クライドルフとドイツ表現主義との結びつき、それは彼の人生感と大きく関わっていたようです・・・
by EKreidolf
| 2009-08-05 20:57
| エルンスト・クライドルフ
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